日本とアメリカの大学入試がもっとも大きく異なるのが、提出書類の内容です。日本の大学は今でも約半数の生徒を共通テストなど入学試験の点数で合格させています(残りは高校の推薦など)。高校の成績などを記した内申書(調査書)を考慮する大学はあるものの、その数は少数です。
一方アメリカの願書には、(1)ハイスクールの成績(GPA)、(2)先生の推薦状、(3)エッセイ、(4)レジュメ(履歴書)と呼ばれることが多い「活動記録」、(5)共通テストのスコアなど、生徒個人に関することはもちろん、生徒が在籍するハイスクールのプロフィールも一緒に送られます。
アメリカでも共通テストやGPAなど、点数で足切りをする大学はあります。
点数には現れないパーソナリティや社会への興味関心など、生徒の「ソフトスキル」をあらゆる方向から検討するのが、ホリスティック・アドミッション」と呼ばれるアプローチです。
大学は、合格したら生徒がどんな視点や才能をキャンパスに持ってきてくれるのかを知りたいのです。
もうひとつ重要なのは、ホリスティック手法を使う大学アドミッションは、生徒のハイスクールがどんな環境か(APはいくつオファーしているのか、卒業後はどんな進路を選ぶ生徒が多いのか)を配慮することです。
大学は、もっともチャレンジングなカリキュラムで学習した生徒を歓迎します。
でも「APコースがたくさんオファーされている進学校でないと、APコースが取れないので難関校に入れない」には根拠がありません。3つしかAPコースしかオファーされていなくても、その3つすべてを取ったら「もっともチャレンジングなカリキュラム」になるのです。
置かれた環境のなかでベストを尽くしたかどうか。ホリスティック・アドミッションが見るのはそこなのです。