日本の大学の頂点に君臨する東京大学が、約70年ぶりに学部を新設しました。UTokyo Designは「デザイン学部」です。「デザインとは何?ファッションデザインのこと?」と思うかもしれません。「うちの子はアートに興味がないから関係ない」と内容を確認しないでおくかもしれません。
でも、UTokyo Designが目指す「デザイン」とは、私たちが普段想像する美的な表現とはまったく別物です。藤井総長によれば、デザインとは気候変動・AI・医療などの社会課題を解決するための「社会システムの設計」。学部と修士課程が一体化した5年間のプログラムで、複数の学問分野を横断しながら問題解決できる人材の育成を目標としています。授業はすべて英語で行われるため、日本語の共通テストによる受験が難しい海外在住のお子さんにも、東大受験のチャンスが開かれています。
この学部は文系なのか理系なのか、と気になる方もいるでしょう。ただ「文系・理系」の二分法は日本独特のもので、アメリカの大学出願にはそのような区別はありません。どちらの要素も学ぶ学際的なアプローチこそUTokyo Designの特色であり、1年次の必修科目では法学・経済・医学・情報学など9分野の基礎を全員が学びます。
では、どんな生徒がUTokyo Designに向いているでしょう。
大学公式サイトには、UTokyo Designが重視する5つの要素が明記されています。
- 知力と学習能力 → まず成績によって証明できる学力があること。それだけでなく、自分から問いを立てられるなど、批判的思考力のある生徒
- コミュニケーション能力 → 英語で「議論できる」生徒。話せるだけでは不十分
- 論理的・創造的思考力 → 知的好奇心が強く、答えのない問いを楽しめる生徒
- 責任感・社会正義感・包摂性 → 社会の不公平に敏感で、行動に移した経験があり、卒業後も引き続き社会の課題を解決したいと考える生徒
- 自主性と協調性 → 自分の興味に沿って学びを進めると同時に、多様な背景をもつチームで化学反応を起こせる生徒
実はアメリカの難関校も、これらの重視点をクリアできる生徒を求めています。ですから、アメリカの大学への出願とUTokyo Designへの出願は、同じアプローチ(課外活動の内容、授業選択など)で進めることができます。
UTokyo Designの出願ガイドラインは、8月に発表予定です。ですからエッセイの書き方についてはまだお話しできません。ただ、それまでに自分の高校生活を振り返り、大学の理想像と自分の体験でどこがオーバーラップしているか、自分が関心を持つ社会問題は何かを言語化できるか、その社会問題に関するこれまでの取り組みなどをまとめておくと、次のステップにつながりやすいでしょう。さらに、SAT・ACTのスコアをなるべくアップさせておくことも重要です。
入学金等を除く年間学費は約64万円(為替相場によりますが、4,000〜4,500ドル相当)。アメリカの大学と比較すると、州立でも州外学生は年間3〜4万ドルが相場であることを考えると、その差は歴然です。正式ガイドラインが出されたら、もっと具体的な対策をお話しする予定です。お楽しみに。